加工処理とパス表示


 NCデータの読み込みと、被切削材の定義終了後、ポップアップメニュー 「加工(R)」から、実行する方法を選択する ことにより、シミュレーションを開始することができます。
 TRYCUT5000では工具を内部的に微小移動(工具の移動ピッチ)さ せてゆきながらシミュレーションを行っています。

 3種類のシミュレーション方法(後述)が用意されていて、すべてにおいて 、早送り干渉やストロークチェックの検知が行われます。これらの検知が 発生すると警告音と同時に切削を中断します。なお、早送りでの干渉部は、自動的に ペンキで塗られます。
「実加工(R)」
「スキップ加工(S)」
「加工して結果表示(T or F5キー)」


「実加工(R)」
 実際の加工に近い形(実際の時間で切削するわけではありません)で、 切削状況をシミュレーションします。動作(描画)単位は、左パネル「精度」の工具移動ピッチ になりますが、この移動ピッチごとの描画を間引くことで高速になります。間引き方は以下の キーを使って下さい。
"RIGHT(→)"キーで間引き数の増加(高速化)
"LEFT(←)"キーで間引き数の減少(低速化)
実行中のスキップ量はウィンドウバーの右端で確認できます。
※初期値は、初期設定ファイル[Define]セクションにて"SKIP VIEW=(スキップ数)"で指定できます。

「スキップ加工(S)」
 NCデータの指定スキップ数のブロック単位で表示を更新しながらシミュレーションします。このスキ ップ数は以下の操作で増減させることができます。
"RIGHT(→)"キーでスキップ(NCブロック数による描画間隔)量の増加(高速化)
"LEFT(←)"キーによるスキップ量の減少(低速化)
実行中のスキップ量はウィンドウバーの右端で確認できます。
※初期値は、初期設定ファイル[Define]セクションにて"SKIP BLOCK=(スキップ数)"で指定できます。

「加工して結果表示(T or F5キー)」
 最速で切削結果を表示します。"P"キーを押すことにより被切削材の途中描画が行えます。

※これら3種類のシミュレーションモードは、大きくレスポンスが異なります。詳細を見たい場合以外は、 「スキップ加工」さらには「加工して結果表示」の処理に切り替えるほうが圧倒的に高速に なります。"TAB"又は"Shift"+"TAB"により、シミュレーション実行中のモード切り替えが行なえます。

"TAB"による切り替え
「実加工(R)」 → 「スキップ加工(S)」 → 「加工して結果表示(T or F5キー)」

"Shift"+"TAB"による切り替え
「加工して結果表示(T or F5キー)」 → 「スキップ加工(S)」 → 「実加工(R)」

※5軸加工では回転軸動作のあるブロックや早送り動作の部分だけ、詳細な動きを確認したい場合があります。 「加工(R)」→「回転動作実加工モード(A)」と「早送り部実加工モード(0)」は、「スキップ加工」や「加工して結果表示」用の 設定で、回転軸動作があるブロックや早送り部のみ実加工モードで動作させることができます。5軸工作機械を割り出しの 目的で使う場合などには特に有用です。
本設定のデフォルトは、初期設定ファイル(Ctrl+F1)の[Define]セクションにて、

"REAL ROTATION = YES or NO"(省略時NO)
"REAL RAPID = YES or NO"(省略時NO)

で設定しておくことが出来ます。


「パス表示(D or F6キー)」
 工具先端の軌跡を表示します。
※「表示制御(P)」の「パスの構成点表示(C)」にて 各ブロックの指令位置が構成点表示されます。 NURBS補間ブロックは、各セグメントごとの端点(制御点ではなく通過点)位置を 表示します。
実行時"SHIFT"キーを押しておくと、位置決め/早送り(G00)部分の表示を省略することができます。

「回転成分を補間しないパス表示(D or F7キー)」
 回転成分を補間しない工具先端の軌跡を表示します。各ブロック間の軌跡を回転軸の影響を無視して、あえて直線的に 表示することにより、実際のパスの軌跡(F6キー)との比較に使います。
※「表示制御(P)」の「パスの構成点表示(C)」にて 各ブロックの指令位置が構成点表示されます。 NURBS補間ブロックは、各セグメントごとの端点(制御点ではなく通過点)位置を 表示します。
実行時"SHIFT"キーを押しておくと、位置決め/早送り(G00)部分の表示を省略することができます。


「オプショナルブロックスキップ設定(B)」
 / or /1,/2,/3,/4,/5,/6,/7,/8,/9 のそれぞれについてスキップを有効にするか 否かを指定します。チェックするとスキップ有効(スキップされる)になります。

「停止位置の指定(N)」


「制御点座標値設定(X)」
 制御点座標値のXYZ座標値をワーク座標系もしくは機械座標系で入力します。

「工具径補正値設定(K)」
 工具径補正値や磨耗値を設定します。なお磨耗値についてはコントローラー定義 ファイルのG10MODEにて、FANUC-B又はFANUC-Cを 指定した場合にのみ指定可能。
 本設定は、画面左パネルの「径補正値」をクリックすることによっても 行えます。

「工具長補正値設定(L)」
 工具長補正値や磨耗値を設定します。なお磨耗値についてはコントローラー定義 ファイルのG10MODEにて、FANUC-B又はFANUC-Cを 指定した場合にのみ指定可能。
 本設定は、画面左パネルの「長補正値」をクリックすることによっても 行えます。

「ワーク座標系設定(W)」
 ワーク座標系を設定します。各ワーク座標の左端のボタンをクリックした場合には、計測値の機械座標系での値(XYZ)が 反映されます。またクリック時に"X"又は"Y"又は"Z"キーを同時に押すと、その座標値のみ更新されます。 本設定は、画面左パネルの「ワーク座標」をクリックすることによっても 行えます。


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