各種干渉チェック
切削シミュレーション中に
「早送り干渉チェック」「アーバー干渉チェック」「有効刃長チェック」「チップチェック」「ストロークチェック」「主軸回転チェック」のそれぞれのチェックや、
各動作機構の構造物間同士での干渉チェックを同時に行うことができます。
これらのチェックはそれぞれの指定により無視することも可能です。
設定はポップアップメニュー「加工(R)」→「切削干渉チェック(I)」と「構造物干渉チェック(M)」、
それぞれの初期値は、初期設定ファイル(Ctrl+F1)で行えます。
「ストロークチェック」はMTLファイルでの設定、
「主軸回転チェック」(SPINDLE CHECK)は初期設定ファイルでのみ設定可能です。
[早送り干渉チェック]
早送りの干渉チェックを行うか否かを選択します。
(※ 早送りとは、G00部分と、それから
RAPID FEEDRATEにて指定値がある場合は、その速度以上の切削送り部分を
指します。)
・「しない/強行切削」:
早送りでも切削します。
・「する/干渉時中断」:
早送りで切削する部分を検出すると切削を中断します。また干渉部は、自動的にペンキで塗られます。
工具側(工具表示ダイアログ)は干渉位置の始終点に赤色で+表示されます。
工具側の赤色表示は、正常に加工が終了したときに消えます。
干渉を検知すると確認ダイアログが表示され、
確認ボタンの「OK」をクリックすると工具はシミュレーション開始位置に復帰します。
この時点で「J」キーを押すことにより、
再度干渉位置に工具を戻すことができます。
もう一度「J」キーを押すと、再度開始点に戻ります。
また「C」キーはひとつ前の加工前形状に戻しますので、
NCデータを修正して再実行を試す場合などで利用して下さい。
・「する/干渉時一時停止」:
早送りで切削する部分を検出すると切削を一時停止(/x5,/x6オプション起動時は続行)します。処理を続行させる場合は、「G」キー又は左パネルの「GO」をクリックして下さい。干渉部は、自動的にペンキで塗られます。一度でも干渉検知により停止した場合には、シミュレーション終了後、作業フォルダ下に"interference.txt"という名称のファイルが作成され干渉ブロックのログが出力されます。出力ログの詳細はこちら。
※このログは、各ブロック内で発生する干渉状況のみ出力していますが、
工具の移動ピッチごとに詳細な干渉情報を得たい場合には、
作業フォルダ下に"interference2.txt"という名称のファイルを置いて下さい。
空ファイルでも"interference.txt"を名前変更してもOKです。
それ以降は"interference2.txt"側に移動ピッチごとの詳細な干渉情報を書き出します。
詳細はこちら。
本項目の初期値は初期設定ファイルのINTERFERENCEにて、
NO/YES/STOPのいずれかで指定します。
起動中の設定状態は、上部タイトルバーにて「干渉チェック-YNNN」の1文字目に、
NO/YES/STOPのいずれかの頭文字で表示されます。
「アーバー/テーパー干渉チェック」
工具保持具の干渉チェックを行うか否かを選択します。干渉チェックを行う箇所は以下です。
・段付き工具のテーパー部(TTLファイルのLENGTH2,LENGTH3文で指定)
(※テーパー・ボール・エンドミルのテーパー部は対象外)
・アーバー(TTLファイルのARBOR文で指定)
・「しない/定義形状無視」:
工具保持具や段付き形状の定義を無視して(定義されていないものとして)切削します。
・「しない/定義形状で強行切削」:
干渉チェックは行なわず、保持具や段付き形状で強行切削します。どのような干渉状態かの確認や、
変則的な使用方法としては総形工具のシミュレーションなどに使うこともできます。
(※いくら本指定を行なっていても、早送り干渉チェックを行なっている場合は、
早送りで加工しようとすると停止します。)
・「しない/必要突き出し長算出」:
加工処理終了後、算出された
必要突出し長(LENGTH2,LENGTH3文指定時は、必要な首下長さとテーパ部長さも併記)を
"突出し長.txt"(初期設定ファイル
にて格納フォルダを指定可能 省略時は作業フォルダ)というファイルに
書き出し、同時に編集エディターで開きます。
・「する/干渉時中断」:
工具保持具や段付き工具のテーパ部がワークに干渉すると切削を中断します。
また干渉部は、自動的にペンキで塗られます。
工具や保持具側(工具表示ダイアログ)は干渉位置の始終点に赤色で+表示されます。
保持具や段付き工具のテーパ部の赤色表示は、正常に加工が終了したときに消えます。
干渉を検知すると確認ダイアログが表示され、
確認ボタンの「OK」をクリックすると工具はシミュレーション開始位置に復帰します。
この時点で「J」キーを押すことにより、
再度干渉位置に工具を戻すことができます。
もう一度「J」キーを押すと、再度開始点に戻ります。
また「C」キーはひとつ前の加工前形状に戻しますので、
NCデータを修正して再実行を試す場合などで利用して下さい。
・「する/干渉時一時停止」:
工具保持具や段付き工具のテーパ部がワークに干渉すると切削を一時停止(/x5,/x6オプション起動時は続行)します。処理を続行させる場合は、「G」キー又は左パネルの「GO」をクリックして下さい。干渉部は、自動的にペンキで塗られます。一度でも干渉検知により停止した場合には、シミュレーション終了後、作業フォルダ下に"interference.txt"という名称のファイルが作成され干渉ブロックのログが出力されます。出力ログの詳細はこちら。
※このログは、各ブロック内で発生する干渉状況のみ出力していますが、
工具の移動ピッチごとに詳細な干渉情報を得たい場合には、
作業フォルダ下に"interference2.txt"という名称のファイルを置いて下さい。
空ファイルでも"interference.txt"を名前変更してもOKです。
それ以降は"interference2.txt"側に移動ピッチごとの詳細な干渉情報を書き出します。
詳細はこちら。
本項目の初期値は初期設定ファイルARBOR CHECKにて、
NO/CUT/OUTPUT/YES/STOPのいずれかで指定します。
起動中の設定状態は、上部タイトルバーにて「干渉チェック-YNNN」の2文字目に、
NO/CUT/OUTPUT/YES/STOPのいずれかの頭文字で表示されます。
「有効刃長チェック」
有効刃長のチェックを行うか否かを選択します。
・「しない/強行切削」:
工具の有効刃長が不足していても無視して切削を行います。
・「しない/強行切削/必要な有効刃長算出」:
工具の有効刃長が不足していても無視して切削を行います。また加工処理終了後、
検出された必要有効刃長を"有効刃長.txt"
(初期設定ファイルにて格納フォルダを
指定可能 省略時は作業フォルダ)というファイル(
突き出し長も同時に算出する場合は"突出し長.txt")に書き出し、同時に編集エ
ディターで開かれます。
・「する/干渉時中断」:
工具の有効刃長を超えて切削しようとする場合は切削を中断します。この部分には、自動的にペンキで塗られます。
工具側(工具表示ダイアログ)は干渉位置の始終点に赤色で+表示されます。
工具や保持具側の赤色表示は、正常に加工が終了したときに消えます。
干渉を検知すると確認ダイアログが表示され、
確認ボタンの「OK」をクリックすると工具はシミュレーション開始位置に復帰します。
この時点で「J」キーを押すことにより、
再度干渉位置に工具を戻すことができます。
もう一度「J」キーを押すと、再度開始点に戻ります。
また「C」キーはひとつ前の加工前形状に戻しますので、
NCデータを修正して再実行を試す場合などで利用して下さい。
・「する/干渉時一時停止」:
工具の有効刃長を超えて切削しようとする場合は切削を一時停止(/x5,/x6オプション起動時は続行)します。処理を続行させる場合は、「G」キー又は左パネルの「GO」をクリックして下さい。干渉部は、自動的にペンキで塗られます。一度でも干渉検知により停止した場合には、シミュレーション終了後、作業フォルダ下に"interference.txt"という名称のファイルが作成され干渉ブロックのログが出力されます。出力ログの詳細はこちら。
※このログは、各ブロック内で発生する干渉状況のみ出力していますが、
工具の移動ピッチごとに詳細な干渉情報を得たい場合には、
作業フォルダ下に"interference2.txt"という名称のファイルを置いて下さい。
空ファイルでも"interference.txt"を名前変更してもOKです。
それ以降は"interference2.txt"側に移動ピッチごとの詳細な干渉情報を書き出します。
詳細はこちら。
本項目の初期値は初期設定ファイルのHEIGHT CHECKにて、
NO/OUTPUT/YES/STOPのいずれかで指定します。
起動中の設定状態は、上部タイトルバーにて「干渉チェック-YNNN」の3文字目に、
NO/OUTPUT/YES/STOPのいずれかの頭文字で表示されます。
「チップチェック/VERTICAL or RADIUS用(V)」
チップ幅(VERTICAL)又は中心高さ(RADIUS)のチェックを行うか否かを選択します。
・「しない/強行切削」:
チップ幅や中心高さが不足していても無視して切削を行います。
・「しない/強行切削/必要なチップ幅or中心高さ算出」:
チップ幅や中心高さが不足していても無視して切削を行います。また加工処理終了後、
検出された必要チップ幅又は中心高さを"チップ幅.txt"
(初期設定ファイル
にて格納フォルダを指定可能 省略時は作業フォルダ)というファイル(
突き出し長や有効刃長も同時に算出する場合は、それぞれ"突出し長.txt"、
"有効刃長.txt")に書き出し、同時に編集エディターで開かれます。
・「する/干渉時中断」:
チップの存在しないところで切削しようとする場合は切削を中断します。
この部分には、自動的にペンキで塗られます。
工具側(工具表示ダイアログ)のこの部分の始終点に赤色で+表示されます。
工具や保持具側の赤色表示は、正常に加工が終了したときに消えます。
干渉を検知すると確認ダイアログが表示され、
確認ボタンの「OK」をクリックすると工具はシミュレーション開始位置に復帰します。
この時点で「J」キーを押すことにより、
再度干渉位置に工具を戻すことができます。
もう一度「J」キーを押すと、再度開始点に戻ります。
また「C」キーはひとつ前の加工前形状に戻しますので、
NCデータを修正して再実行を試す場合などで利用して下さい。
・「する/干渉時一時停止」:
チップの存在しないところで切削しようとする場合は切削を一時停止(/x5,/x6オプション起動時は続行)します。処理を続行させる場合は、「G」キー又は左パネルの「GO」をクリックして下さい。干渉部は、自動的にペンキで塗られます。一度でも干渉検知により停止した場合には、シミュレーション終了後、作業フォルダ下に"interference.txt"という名称のファイルが作成され干渉ブロックのログが出力されます。出力ログの詳細はこちら。
※このログは、各ブロック内で発生する干渉状況のみ出力していますが、
工具の移動ピッチごとに詳細な干渉情報を得たい場合には、
作業フォルダ下に"interference2.txt"という名称のファイルを置いて下さい。
空ファイルでも"interference.txt"を名前変更してもOKです。
それ以降は"interference2.txt"側に移動ピッチごとの詳細な干渉情報を書き出します。
詳細はこちら。
本項目の初期値は初期設定ファイルのCHIP-W CHECKにて、
NO/OUTPUT/YES/STOPのいずれかで指定します。
起動中の設定状態は、上部タイトルバーにて「干渉チェック-YNNN」の4文字目に、
NO/OUTPUT/YES/STOPのいずれかの頭文字で表示されます。
マシンシミュレーション(機械構造物間の干渉チェック)
以下の組み合わせにおいて干渉チェック(中断,一時停止)が行えます。それぞれの初期設定は
初期設定ファイル(Ctrl+F1)[Define]セクションでの指定により行えます。
MTLファイル内で指定する"ROTARY TYPE"(回転軸の構成)によって指定できるものは変わります。
※(未定)(検討中)は、
機械の構造上、チェックの必要性を想定しにくい組み合せや、
現行ユーザーから要望のない組み合わせで保留にしているものですが、
具体的に要望があれば対応を予定しているものです。
[設定上の留意点]
・機械の構造によって様々ですが、実機において干渉が起こりえない組み合わせがあります。
特に回転動作が反映されない動作機構同士の場合は、
単純に機械側でのストローク・リミット(TRYCUT5000ではMTLファイル[STROKE RANGE]で指定)で、
干渉を防いでいるのが一般的です。
このような組み合わせによる干渉チェックは、レスポンスに悪影響を及ぼすだけですので、
チェック設定を行わないようにして下さい。
・バイス(VICE)やヘッド(HEAD,HEAD1,HEAD2)、テーブル(TABLE,TABLE1,TABLE2)類、機械本体(BASIC)の形状は、
MTLファイル(F4キー)で指定されているSTLモデルを対象にします。
STLでインポートされていない場合の、自動定義されたテーブルやヘッドは、
干渉チェックの対象外になります。
・STLモデルは3角形の平面の集合体です。この3角面(ファセット)の数はレスポンスに大きく影響します。
またチェック対象同士が大きく離れている場合は負荷がかかりませんが、
接近度合いによっては顕著に遅くなることがあります。
本指定を行うことによって、レスポンスに難が出た場合には、
実際よりやや大きめで精度を粗く(ファセット数を少なく)した形状(STL)にするとほとんどの場合、
問題は解消して行きます。
ファセット数を抑える方法は、STL出力システム側での機能にもよりますが、
まずは構造物のオフセット形状を作成、
もしくは干渉チェックを意識して大きめの形状を再定義し、
STL変換時の許容誤差(トレランス)を大きめに指定して出力するという流れが一般的です。
・回転ヘッド型5軸機(ROTARY TYPE=HEAD)を設定されている場合、
従来バージョン(Ver2.19以前)の不具合から、
テーブル設定を"TABLE1 MODEL"側で行うのが通例になっていましたが、
構造物間干渉チェックを利用される場合は、"TABLE MODEL"側で定義するように、
MTLファイル(F4キー)内での設定を変更してご利用いただけますようお願いいたします。
・機械メーカーから支給される機械形状のCADデータには、
機械構造物の中に埋め込まれているピン形状など、
干渉シミュレーションとは無関係の部分も含まれている場合があります。
これらの形状がファセット数の大半を占めてしまう場合もありますので、
STL出力時には可能な限りこれらの形状を削除しておいて下さい。
[ストロークチェック]
各軸の可動範囲をチェックする場合は、MTLファイル側
の設定で"STROKE RANGE(*)="設定をご利用下さい。
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